【東海林先生の漢方メモ】
中から元気 中からキレイ ~ 女性のための漢方
「葛根湯」と「天津感冒片」ちがいは? (平成19年12月20日掲載)

 日本で漢方のカゼ薬といえば「葛根湯(かっこんとう)」が特に有名ですが、
現代の中国ではあまり使われていません。
 葛根湯は、今から約2000年前に著された
「傷寒論(しょうかんろん)」の処方。
当時は気候や栄養状態も悪かった時代で、冷えから来る「寒性」の病気が主流でした。
そのため、体を温めて治療する処方が多く考案されました。
 葛根湯は、ゾクゾクと悪寒(おかん)の強いカゼ「風寒(ふうかん)型」には有効です。

 ところが明・清の時代以降、都市への人口の流入や温暖化が進み、ウイルスなどによって
もたらされる熱性の病気が急増したこともあり、それに対処するため
「温病学(うんびょうがく)」という
新しい医学体系が生まれました。
 比較的抗ウイルス力の強い金銀花(きんぎんか)や連翹(れんぎょう)などの生薬を組み合わせた処方
「銀翹散(ぎんぎょうさん)」が開発されたのです。・・・(日本の鎖国時代にあたります)。
 中国でカゼ薬といえば、この銀翹散板藍根(ばんらんこん)が有名です。

 日本でも現在は、銀翹散の処方を元に作られた

「天津感冒片(てんしんかんぼうへん)」
が輸入されています。
 昔と生活環境が変わってきている中、日頃のストレスも加わり、カゼのタイプも変化してきています。
 口が渇いて熱っぽく、ノドが腫れて痛むカゼ「風熱(ふうねつ)型」やインフルエンザなどのウイルス性のカゼには、天津感冒片が効果的です。
 即効性で眠気などの副作用の出にくい漢方のカゼ薬を、さらに風寒型と風熱型に使い分けて、
様々なカゼの症状に対応しましょう。

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